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2005年05月02日

会社にお金が残らない本当の理由

1年ほど前にたまたま大阪梅田紀伊国屋で見つけました。同じ日にどこかに置き忘れ、もう一度買ったと言ういわくつきの本。
税理士で経営コンサルタントの岡本吏郎氏 (http://www.awn.jp/urapage/
の処女作。当時、私は会社を立ち上げて半年、お金のことがさっぱりわからず、試行錯誤していたときでした。
この本は、お金だけではなく、ビジネスとは、経営とは何か、についても書かれています。
当たり前すぎてつまらないと言わないで下さい。私にとっては、この本から、新しい物語が始まったと言う記念碑的な本です。

会社にお金が残らない本当の理由
岡本 吏郎

フォレスト出版 2003-12-10
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この本を読んで気付いた事
朝ドラ「てるてる家族」に見るビジネスモデルと投資、借り入れの法則
(旧鈴木裕HP、rallyservice.com の 2004年03月16日 (火)の日記 を若干アレンジして掲載)

少し前になります。
NHKの朝ドラ「てるてる家族」は、浅野ゆう子さん扮する照子さんが終戦後の大阪池田でテレビ喫茶をヒットさせ、70年代には娘の冬子がパン屋を繁盛させていると言う物語だった。

テレビ喫茶のビジネスモデルは、当時珍しかったテレビがお茶を飲みながら見られる、と言うもので、テレビ見たさの集客を狙ったものである。当然このビジネスモデルは現在の日本では意味がない。
が、終戦直後の日本ではこれは画期的なアイディアであった。ヒットすること間違いなし。

そして、照子さんは借金をして喫茶店を建て、テレビを購入するのである。
当然店は大繁盛、順調に収益を伸ばしていく。

そして、70年代に入り、店は本業のパンの売上を順調に伸ばした。
いつでも焼きたてパンを売ることができるようになったからである。
このビジネスモデルは、パンはいっぺんに作って店頭に並べる、ではなくて、売れ行きに合わせていつも焼きたてを販売する、と言うものである。
現在の街のパン屋はほとんどがこのビジネスモデルである。

このためにも借金をして設備を導入している。
夜、パン生地をこねて、眠らせておくための冷凍庫を導入したのである。
が、この焼きたてパンもまた、当時の日本では数少ないビジネスモデルでヒットすることは間違いなかった。

このように、投資は本来確実なビジネスモデルに対して行わなければならない。
その為に必要であれば、借金してもいいのである。

そして、70年代後半、てるてる家族後の日本はベトナムの軍需などから経済が急成長を遂げる。
なんと、1970年から1990年の20年間でGNPにして40倍である。
80年代に日本を襲った「バブル」は、ビジネスモデルも何もなく、何にでも投資すれば利益を得る事が出来た時代であった。当然である。40倍の急成長の真っ只中にあったのだから。
そして、1990年代に入って経済成長が止まる。日本は1960年代以前の成長率に戻った。

今、ビジネスを成功させるには、確実なビジネスモデルに集中投資する事が必要なのである。
が、いまだにバブルを引き摺っている化石のような経営者のなんと多い事か。
今後の5年間にまたインフレが起こると予測する専門家もいる。そのためにまた不動産の価値も上がるかも知れない。
が、1970年からの20年間に経験したような経済成長は、絶対にわが国には訪れない。
バブルは再来しないのである。

投稿者 suzuki : 2005年05月02日 07:38

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トラックバック時刻: 2006年01月24日 07:52

コメント

農家の本棚運営者の玲治です。
トラックバック張らせていただきありがとうございます。
「会社にお金が残らない本当の理由」では、決算書なんか意味ないんだ。と言う所にハッとしました。
そう思って決算書を見ると儲かっている会社ってすごく少ないですよね(^-^;)ゞ

これからも宜しくお願いいたします。

投稿者 玲治 : 2006年01月24日 12:15