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2007年07月17日

大地震パニックは神話であるらしい。

「大空港」、「タワーリングインフェルノ」、「大地震」…
1970年代にはパニック映画が大流行した。

異常な状況に陥った時、人々がパニックを起こすと言うのは神話であるらしい。
実際には、迅速に行動できず、災いに巻き込まれることの方がよほど多いのだそうだ。

人には、正常性バイアスと言って、危険源を肯定してしまう特性があるらしい。
これは、過度な情報依存によるもので、何かの情報がない限りは、危険を危険と見做せないのだそうだ。

実際に、部屋の中で煙を発生させる実験を行っても、被験者は煙が充満しても平然とその部屋に居続けるのだそうだ。

何か災害が起きた時、落ち着くことは良いことだが、何も行動を起こさなければ災いに巻き込まれることになる。
あわてず、急ぐことが必要なのである。

新潟でまた地震が起きた。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070717-00000028-jij-soci

この地震では、原子力発電所の耐震性に疑問が出ている。
今回の地震では、設計値の2倍以上の揺れを記録したのだそうだ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070717-00000067-san-soci設計時には想定していなかった活断層の揺れだと言うことだが。

想定外の出来事は技術にはつきものである。
設計時に想定していなかった活断層が揺れたとしても必ずしも責められる問題ではない。
その点を考慮しても、この東京電力の発表は、技術士の目からはかなり不満だ。

安全性が確認されるまで、原子炉の稼動は停止することは当然として、「問題があるかどうか検討する」のではなくて、設計値を上回る揺れが起こり得ることがすでに問題なのだから、迅速に対策を検討すべきなのである。
今後も余震が懸念されている。
問題があるかどうか検討して…などと、悠長なことを言っている余裕はないはずだ。
さらに被害を拡大する結果にならなければ良いが。

このあたりが既に正常性バイアスなのだと思う。

投稿者 suzuki : 2007年07月17日 08:23

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コメント

なぜ、原発事故は、その度に「設計時には想定していなかった」という言葉がでるのだろうか。
日本列島が、地震で作られたことを、原発設計者はご存じないのだろうか。
今日のニュースの解説で、新潟の山並みも、佐渡も、同じ向きを向いている大地の皺だそうです。
もし佐渡がもう一つ出現する地震が起きたら、そのときは震度7どころではなく、「設計時には想定していなかった」ことが起こるんでしょうね。
地震だらけの小国に作る原発は、何が起こっても「想定内」にして欲しいものです。
佐渡ができようと、日本が沈没しようと安全な原発はできないのでしょうか。

実現可能かどうかわかりませんが、原子炉の上に、生コンクリートのプールを常時、回しておいて、ある程度以上の震度があったら、原子炉全体に生コンクリートを流し込んで固めてしまうような設計にすれば、チェルノブイリのようなことにもならないのではないでしょうか。

冗談みたいですが、この位やらなければ、また原発の「想定外」の事態が繰り返されるんだと思います。

投稿者 読者A : 2007年07月17日 18:28


市民感情として、原発は絶対に安全にと言うのはわかりますが、全ての物事には限度があります。
原発とて例外ではありませんし、車のような機械でも、安全性を欠けば人が死にます。
いすれも設計問題ですから、何かの入力を与えなければ解けません。

損失関数で考えれば、入力に対して過剰に安全なものも、安全性が欠如したものもどちらも損失が大きくなります。

ものが原発ですから、相当なコストをかけても過剰とはならないと思いますが、何がおきても絶対に、と言うことにはなりません。

とは言え、建設時に見つけられなかった活断層が原発の真下にあることがわかり、設計値を2倍以上上回る入力があることがはっきりしたわけですから、私はこのケースに関して、とるべき道は一つだと思っています。
柏崎刈羽原発の廃炉、これしかありません。
詳しくは計算してみないとわかりませんが、補強でどうにかできるレベルではないと思います。

先の損失関数で考えても、活断層の真上に原発を建設するなど、とてもコスト的に見合ったものにならないと思います。


技術者の仕事と言うものは常に未来を向いている、と言うのが私の考えです。
そして、完璧を期して設計したものに必ず想定外の事態は発生します。

その時に、いかに迅速、正確な判断ができるか、と言うことが技術者の資質だ、と言うことが、ここでは言いたかったわけです。

当然、その想定外の事態が何故起きたのか、検証することも重要です。
それは、主に将来に向けて情報を蓄積する、と言う意味で、です。

原発建設予定地の真下に入り込んでいる活断層をどうして見逃したのか?

当然やるべき手順を踏んでいなかった、あるいは何らかの隠蔽があった、と言うことであれば、厳しく糾弾されるべきだとは思います。

投稿者 すずき : 2007年07月18日 07:45


「想定外」これは、何か被害があったとき技術者が便利な言葉としてよく使いますね。
技術士でも。
確かに計算は、ある設計条件をもとに計算されているのだから、それ以上の力に対しては責任を持てませんよということなのだろうか・・・・。
想定外、設計条件以上の力が発生した時、どうなるのか、そのためには、どうすればよいのか、真剣に考えないといけませんね。
ちなみに活断層と大地震には一定の法則が判明しているらしいですよ。
活断層と直交する方向の揺れが卓越しているそうです。
まぁ、活断層を見つけるのも困難でしょうが・・・。

投稿者 koyama : 2007年07月21日 08:38


坂本龍一さんたちが、柏崎刈羽原発の廃炉を求める署名を始めましたね。
https://www.sitesakamoto.com/unplug_kariwa/

投稿者 すずき : 2007年09月10日 14:16


もはや日本には、地震の安全地帯などないに等しいと思います。
廃炉を求めることは容易いですが、原発の恩恵を受けまくって生活している中で、廃炉してどうやって生活するつもりなのでしょうか。
ロウソクの生活でもするつもりなのでしょうか。
有名人の署名活動はインパクトあるでしょうが、その先の考えも聞きたいですね。
それとも、それは専門家のみが考えることでしょうか。

投稿者 koyama : 2007年09月20日 16:48


柏崎刈羽原発は停止していますが、この夏は乗り切りましたね。
ロウソクの生活までしなくてもなんとかなる、と言うことです。
くだらないライトアップなどやめればもっと節約できるはずです。
核エネルギーにしても、あと50年と言われていますから、脱核を考えるいい機会だと思いますよ。

日本に地震の安全地帯はなくても、柏崎刈羽原発は、あきらかに設計時に見逃していた活断層が直下にあり、設計値を上回る入力があることが明らかになったのですから、廃炉にする他方法はないと思いますが?

日本に地震の安全地帯がない、からといって、明らかに危険な原発を稼動してもいい理由にはなりません。

投稿者 すずき : 2007年09月20日 19:08


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