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2007年12月21日

光るクローン猫

韓国の科学者、光るクローン猫を作り出す
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0712/13/news040.html

以前に生物工学をやっている奴と話をしていて、「遺伝子組み換えは設計できるから安全なんですよ。」と言っていたのを思い出した。
これは危険な考えだと思った。

設計できるから安全、と言うのは妄想に過ぎない。
過去、人間はその妄想から何度も過ちを繰り返してきた。

設計とはばらつきの制御である。
それは微小影響因子を捨象する上に成り立っている。
全ての因子を考慮した設計はできない。
それゆえ、想定外の事は必ず起こる。

悪用しようとする奴も必ず現れる。
核を兵器に利用したように、遺伝子組み換え技術は必ず生物兵器に利用される。
更にそれは自然界の本来の生物にも影響する。
核よりもさらにやっかいなものになる。

そうなった時に、誰がそれを止められるのか?

投稿者 suzuki : 2007年12月21日 14:26

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コメント

この日記をミクシにも上げたら、農学部の学生さんから「動物実験も二面性があって、どちらが顕著に現れるかによって世論も変わるのではないか、ただかわいそう、と思うだけ動物実験に反対はできないのでは?」と言う意見をいただきました。

これに対する私のコメント
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言っていることはよくわかります。
動物実験の是非をここで言うつもりはないんですよ。

科学者がよくやる誤りに、足し算引き算で物事を考える、と言うのがあります。
多くの場合、これは、掛け算割り算で考えなければいけません。
コストと品質、ベネフィットとリスク、なんでもそうです。
これだけの利点がありリスクはこれだけだから差し引きで利点が勝る、とは考えてはいけません。

もう一つは、これが19世紀までは神の領域だったと言うことです。
20世紀に開発された2つの技術は、いずれも自然界にないものを創造し得るものです。
核連鎖反応は自然界に起こりえない反応で新しい元素を作りました。遺伝子工学は新しい生命体を作りました。
これは、例えば物を燃してエネルギーを得る分子レベルの反応や、突然変異や品種改良と言った遺伝子の変化、と言った領域を超えています。
(実際には、いずれも理論上は自然界でもごく低い確率で起こり得るわけですが。)

さて、件の猫ですが、猫が医療の為の動物実験に用いられる主な理由は、私の乏しい医学知識からは神経系統が人間に似ているからです。
それ以外では、繁殖力の点から考えてもマウスの方がより実用的です。
で、あれば、猫が光る必要はない。

ですから、この研究がマウスによるものであれば、多少の抵抗はあれ、まだ有効な技術と見たかもしれません。

なぜ、この学者が猫を用いたのか?
そこにこの学者の野心と傲慢を感じるわけです。

今時、マウスを光らせたくらいで世の中驚きませんから。

科学は時として方向を見失うものです。

投稿者 すずき : 2007年12月24日 08:55


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