テストドライバー成瀬氏事故の解析結果について
YouTubeにも上がっていますね。
http://www.youtube.com/watch?v=EmdqyB_FaSM
http://www.youtube.com/watch?v=30KOwQDctOM
黄色がレクサス、ワイン色がBMWです。
現場は、長いブラインドの、レクサスの側から見て直線の後の左コーナー。
両車とも、既にコーナーに入ってから衝突したようです。
レクサスから見て左側の車線で衝突した模様。ドイツは右側通行ですから、レクサスが対向車線を逆走した形です。
車両の破損状況は、ビデオで見る限り、BMWはBピラーまで屋根が変形しているようです。有効衝突速度(バリア換算衝突速度)はざっと約80km/h
レクサスはFRPボディなのでよくわかりませんが、Bピラー(ドア後端部)の位置のボディが変形。有効衝突速度は80km/h以上。部品の散乱状況から、衝突地点は両車のほぼ中央。従って、同程度の速度で衝突したと思われる。
つまり、両車それぞれ40km/h以上の速度で正面衝突したと考えられる。
(※変形量と有効衝突速度の関係については、使用しているデータが古いので、最近の車体の強度が上がっていることを考えれば、もう少し高めかも)
停止位置の状況は、BMWが大きく左にテールを振っています。レクサスは若干左にテールを振って、左後部をガードレールに接触。
現場には激しいブレーキ痕はなく、ブラインドコーナーでの出会い頭の衝突であったと思われます。あるいは、ABSのためにブレーキ痕が目立たないだけかも。
このコーナーは、レクサスから見て左コーナー、BMWから見て右コーナーですから、衝突前は、レクサスには左回り(反時計回り)、BMWには右回り(時計回り)のヨーモーメントが働いていたはずです。
おそらく衝突は、重心位置を若干ずらしたほぼ全面衝突に近いオフセット衝突だったと考えられます。BMWの重心が若干コーナーの外側にあった。このため、衝突によって生じたモーメントは、BMWもレクサスも同じく右(時計回り)。BMWの衝突前のモーメントと同じ方向なので、BMWが大きく左にテールを振った。これに対し、レクサスは、衝突によって生じたモーメントと衝突前のモーメントが逆方向なので、相殺して、若干左にテールを振る形となった。
仮に完全な全面衝突(重心位置で衝突)であれば、コーナーの途中だから、BMWは左に、レクサスは右にテールを振って止まったはず。
すでにコーナーに入った状態で衝突していることから、レクサスの操舵系統は、衝突前までほぼ正常に機能していたと思われます。また、コーナーのイン側にはみ出していたことからも操舵系統が正常だったと言えます。
ブレーキもしくはエンジン制御系統の不良の可能性に関しても、制御不能になる高速であれば、コーナーの外側にはみ出すはずであり、また、衝突速度からも適度な速度にコントロールできていたと考えられ、両車の車両に不具合はなかったと考えられます。
つまり、事故は、成瀬氏の人為的なミスの可能性が高い。
弘法も筆の誤りと言うか…、残念な事故です。
しかし、このコーナーで40km/hと言うのはかなり抑えた走り方だと思います。
避けられない速度とも思えない。
やはり、車に何か問題があったのか?
依然、真実は闇の中です。
投稿者 suzuki : 2010年06月28日 22:19
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