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2007年10月02日

<福岡3児死亡事故>「大上さんは居眠り運転」

福岡市東区の「海の中道大橋」で昨年8月に起きた3児死亡事故の第8回公判で、被告の弁護人は、被害者の大上哲央(あきお)さん(34)が事故時に居眠り運転をしていたと主張した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071002-00000103-mai-soci


私、交通裁判にも関わったことがあるんですよ。
技術士ですから。
そりゃあひどいものでしたね。
専門家が少し見れば見破れるようなインチキのまかりとおる世界ですよ。裁判なんてものは。

車を発進させるときに前にいた被害者を跳ねて重傷を負わせた加害者側保険会社の弁護士は「車の下で寝ていた」と主張しました。
車に上から踏まれた場合と前からぶつけられた場合では怪我の状態が全然違うんですよね。

都心の片側二車線の幹線道路で老人を跳ねて脳に障害を負わせた運送会社の弁護士は「赤信号で飛び出された」と主張しました。
ひっきりなしに車が往来する幹線道路を反対車線から飛び出して、対向車には一切接触せずに一番反対側の左車線を走ってきた加害車両に跳ねられたそうです。
怪我の状態を見れば左からぶつけられたことは明らかなんですよね。

ある保険会社に雇われた自称鑑定人(俺から見れば素人。大学は機械学科卒らしいが、ディーラー勤務程度の経験しかない)は、衝突前速度を4割も低く見積もって「加害車両は制限速度で走行」と主張した。
左右で長さの違うブレーキ痕(ブラックマーク)の短い方を使って計算していました。

ブレーキなんてものは必ず痕が残るわけじゃないんですよ。そうだとしたら街中の道路があっと言う間に真っ黒なブレーキ痕だらけになるでしょ?
左右で長さが違っていれば、長い方、しかもそれよりも更に1〜2割長めの距離を制動距離と考えるのが自然なんです。


まあ、ひどいもんです。
日本では文系と言われる法曹界の人間が工学知識に乏しいのをいい事に、言いたい放題です。
この事件も専門家が見れば真相は明らかなはずなんですけどね。

投稿者 suzuki : 2007年10月02日 21:30

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