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2006年03月01日

失敗の美学

失敗。嫌な言葉ですね。特にわれわれエンジニアはあまり聞きたくない言葉です。
ですが、失敗にも2種類あります。

いわゆるポカミス。何も考えないで、本来やるべき手順を踏まないでやってしまった失敗。
これはいけません。
東海村JCOの放射線漏れとかJR西日本の事故とか、ああいった失敗はいけません。
危機管理とかリスクマネジメントとか言われますが、要するに、少し考えればわかることを考えていない、というだけのことなんです。

新しいことにチャレンジしてうまくいかなかった失敗。
これはいいことです。むしろ、失敗を恐れるあまり、チャレンジを忘れたら人間、成長できません。
だから、トリノオリンピックで4回転に挑戦して失敗した高橋大輔にも安藤美姫にも拍手を送りたい。
日本の小惑星探査機、はやぶさも、マスコミは失敗失敗とはやしたてますが、先のJCOとかJR西日本の失敗とは本質的に違います。
ジーコ監督も、現役時代にこんな言葉を残しています。「失敗を恐れるな。恐れれば勝利を逃す。」

私にも経験があります。
1995年の全日本、最終戦九州。
第1SS終盤の登り直線から2→3速にシフトアップ、右直角コーナー、少し速いか、と思いながら、そのまま突っ込んだ。
そしてコースアウト、側溝に左前後輪を落としながら、出るときにスピンして反対側の立ち木に激突。タイロッドも曲げてしまいました。
それでも、そこで勝負をかけたことはよかったと思っています。突っ込むときに速度を落としてもやっぱりコースアウトしたかも知れないし、速度が落ちていたら側溝から出られなくてそこでリタイヤしたかも知れない。とにかく、なんとか完走できたし、「あそこまでは一番速かったよ」と見ている人には言ってもらえたしね。

仕事でも失敗の連続でした。実験車ぶっ壊したことは数え切れず…。
でも、それでよかったと思っています。そのおかげで、私の設計した製品は市場で死人もけが人も出していませんから。ぶっ壊した実験車は徹夜して直せばいいんです。ぶっ壊れるようなものを市場に出したら、取り返しがつきません。

ところで、昨今、ライブドア堀江貴文元社長のメール問題で巷をにぎわせている永田寿康(ひさやす)議員が、母校のページでこんなことを言っています。

失敗した人が責任をとるということが当たり前の国にしたい

責任を取るべき失敗とほめられる失敗がある、ということは、すでに書いたとおり。
では、永田議員のやったことはどちらなんでしょうね?

投稿者 suzuki : 2006年03月01日 16:12

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コメント

はじめまして、神戸で検索していたらたどり着きましたのでコメント書いてみました
とても内容の濃いブログですね。

投稿者 オオツカ : 2006年03月02日 18:39


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