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2006年07月20日

PCに落雷?

ちょっと新しい試み。
話題の技術用語をできるだけ簡単に解説してみたいと思います。
今日は、PCやOA機器の落雷保護について。

雷が落ちると、PCやOA機器が壊れることはご存知ですね?
電器店に行くと、PCやOA機器を雷から保護する装置が売られています。

実はこれ、間違って使うと、かえって危険なのです。

落雷によるPC故障の原因になるのが、雷サージという奴です。

サージ、というのは、瞬間的な高電圧、とでも言いましょうか。
要するに、どこか近所に雷が落ちると、送電線や通信線に瞬間的な高電圧が発生するのです。
誘導雷、と呼ばれる現象です。

雷というのは、雲に蓄えられた電荷(−)が、地上との間で放電する現象ですが、雲に電荷が蓄えられた間、送電線や通信線にも逆極性の電荷(+)が蓄えられ、落雷によって、雲の電荷(−)が消えると、送電線の電荷(+)も一瞬で消えます。

このとき、送電線を伝って電荷が流れ(つまり電流が生じ)、高電圧が発生するのです。

PCやOA機器などの、半導体を使った機器は、この高電圧によって、壊れることがあります。

一般的には、電化製品は、ある程度の耐サージ性能を要求されています。
また、品質試験の一部としてサージ試験を行っています。
ある程度のサージを加えても壊れないことを確認しているのです。

では、なぜ、PCやOA機器が、雷に弱いのでしょうか?

サージ試験と、実際の雷は違うのです。
実験室では、単一のサージを、電源または、入力端子に加えて、壊れないことを確認します。

ところが、実際の雷の時にはは、送電線と、通信線(電話線、ケーブルTVのアンテナ線、など)に別々に電荷が蓄えられます。

たとえば、電源だけに加えられるサージならば、他の端子は遊んでいるので、機器全体がどーんと高電圧になるだけなので、ある程度耐えます。

ところが、電源と、通信線(たとえば電話線)に同時にサージが発生すると…?

この2つのサージは、同期しません(時間的に前後して発生します)から、瞬間的には、どちらか片方だけに高電圧が乗ってしまい、機器の内部で大きな電位差(電圧のこと)が発生して、壊れます。

雷サージに弱い電子機器の代表は、ISDNのTAです。そのほか、PC、ケーブルテレビのホームターミナルも弱いです。
たぶん、以上の理屈なので、光ファイバーのモデムは大丈夫のはずです。対策のしようがありません。

市販されている、雷サージ保護装置は、電源と、通信線をつなぐところがあります。電話線、アンテナ、LANケーブルをつなぐところがあります。
つながれた電線から、サージを除いてやるわけです。

たとえば、、電源だけ、電話線だけを別々にサージ保護すると…
残った線にサージが乗れば、何もしないよりもっと悪い(つまり、一方だけに高電圧が乗る)ということになります。

うちでは、ISDNのTAの電源と電話線には、コンセント型のサージキラーを、メインPC(デスクトップ)、光ファイバーモデム、ルーター、ケーブルテレビのホームターミナルには、サージ保護回路内臓のUPS(無停電電源装置)を使っています。

つないでいるのは、電源、LANケーブル(光ファイバーモデム→ルータの間)、ケーブルテレビのアンテナ線、電話線(家の外→ISDN TA)です。

他のPCや電話は何もしていません。家の入り口のところで保護しているので大丈夫、という考えです。

これで、3年以上何事もないので、たぶん大丈夫でしょう。
この間には、かなりの落雷がありました。
一度など、ほんの数百メートルのところに落ちました。

※この情報は誤っているかも知れません。これを読んで対策した結果、もし、あなたのPCやOA機器が被害をこうむっても、責任はもてませんのであしからず(^^;

投稿者 suzuki : 2006年07月20日 14:26

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