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2006年10月14日

ハイテクの果て

 世界で初めてクローンペットのビジネスを始めた米カリフォルニア州のベンチャー企業、ジェネティック・セービングス・アンド・クローン(GSC)社が、年末に廃業することがわかった。クローン猫の需要が少なかったのが原因と言う。
 AP通信によると、同社は9月に顧客に送った手紙で、新たなクローンペットの注文は受け付けないと表明し、中止の理由を「クローンペットを商業化できる技術を開発するまでに至らなかった」と説明している。 成功率の向上が課題だったが、うまく行かず採算が合わなかったようだ。
 同社は00年に設立され、飼い猫を亡くした愛猫家らに、クローン技術を使って元の猫のDNAからクローン猫を誕生させて届けていた。計5匹誕生させたが、実際に販売できたのは2匹だけだったという。同じDNAを引き継いでも、毛の模様は本物と同じにはならず、こうしたことも需要が伸びなかった一因とみられる。
 クローン猫は1匹$32,000(382万円)。
 同社は昨年、当初の$50,000(597万円)から値下げしていた。

 朝日新聞、2006年10月13日付

 バイオ関連技術については、もう20年くらい前から何度もブームになりかけては消えています。

 これを読んで、クローン技術のビジネス化は無理と思うか、そろそろ真剣にビジネスを考える時期に来ていると思うか?

 田坂広志先生は、「ハイテクでブームになって、ローテクが儲かる」と仰っています。
 例えば、AIに対する、エキスパートシステム
 遺伝子工学に対する、発酵工学

 私の経験にもあります。
 現代制御に対する、メカトロニクス

 では、クローン技術に対するローテクは?
 このあたりにヒントがあるかも知れません。

 もうひとつ考えるべきことは、そのビジネスは、なぜ、誰もやらなかったのか?ということ。

 誰もできなかったからか?
 誰も買わないからか?
 あるいはその両方か?


 クローン猫については、文部科学省のページの、この記事が参考になります。
 http://www.lifescience-mext.jp/trc/cont/00_www/news/past01/pdf/0004clonecat.pdf

 猫の毛の模様を決めているのは、遺伝子以外の要因の可能性があるそうで。
 まだまだわかっていないことは多いようです。

投稿者 suzuki : 2006年10月14日 08:15

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