ハイテクの果て
世界で初めてクローンペットのビジネスを始めた米カリフォルニア州のベンチャー企業、ジェネティック・セービングス・アンド・クローン(GSC)社が、年末に廃業することがわかった。クローン猫の需要が少なかったのが原因と言う。
AP通信によると、同社は9月に顧客に送った手紙で、新たなクローンペットの注文は受け付けないと表明し、中止の理由を「クローンペットを商業化できる技術を開発するまでに至らなかった」と説明している。 成功率の向上が課題だったが、うまく行かず採算が合わなかったようだ。
同社は00年に設立され、飼い猫を亡くした愛猫家らに、クローン技術を使って元の猫のDNAからクローン猫を誕生させて届けていた。計5匹誕生させたが、実際に販売できたのは2匹だけだったという。同じDNAを引き継いでも、毛の模様は本物と同じにはならず、こうしたことも需要が伸びなかった一因とみられる。
クローン猫は1匹$32,000(382万円)。
同社は昨年、当初の$50,000(597万円)から値下げしていた。
朝日新聞、2006年10月13日付
バイオ関連技術については、もう20年くらい前から何度もブームになりかけては消えています。
これを読んで、クローン技術のビジネス化は無理と思うか、そろそろ真剣にビジネスを考える時期に来ていると思うか?
田坂広志先生は、「ハイテクでブームになって、ローテクが儲かる」と仰っています。
例えば、AIに対する、エキスパートシステム
遺伝子工学に対する、発酵工学
私の経験にもあります。
現代制御に対する、メカトロニクス
では、クローン技術に対するローテクは?
このあたりにヒントがあるかも知れません。
もうひとつ考えるべきことは、そのビジネスは、なぜ、誰もやらなかったのか?ということ。
誰もできなかったからか?
誰も買わないからか?
あるいはその両方か?
クローン猫については、文部科学省のページの、この記事が参考になります。
http://www.lifescience-mext.jp/trc/cont/00_www/news/past01/pdf/0004clonecat.pdf
猫の毛の模様を決めているのは、遺伝子以外の要因の可能性があるそうで。
まだまだわかっていないことは多いようです。
投稿者 suzuki : 2006年10月14日 08:15
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