電気自動車はいつごろできたのか?〜自動車工学(1)
電気自動車の話題を書いたら、自動車のことをもっと書いてほしいと言われたので、大学で講義した内容を少しわかりやすくしてシリーズでお送りします。
大学の学部レベルですが、高校の物理学がわかっていれば、およそ理解できるように説明します。
第一回は、「電気自動車はいつごろできたのか?」ということで自動車の歴史を振り返りたいと思いますが、
いったいいつごろだと思いますか?
答えは、1873年。
イギリス人のリチャード・デビッドソンと言う人が作りました。
今の形の自動車に最も近い、4サイクルエンジンを搭載した自動車は、1886年、ドイツ人のダイムラーによって作られましたから、電気自動車の方が12年も早いわけです。
それもそのはず、4サイクルエンジンは、電気自動車が作られた後、1876年にドイツ人のオットーによって発明されたオットーサイクルを元に、1885年にダイムラーとベンツによって作られたのです。
詳しくは、年表を見てください。
大学講義、自動車工学で使ったスライドです。
クリックで拡大します。
自動車の開発の歴史です。
1803年、産業革命の真っ只中、蒸気機関を搭載した自動車が始まりでした。
産業革命というのは、それまでの人や牛馬による動力を蒸気機関の人工的な動力に置き換えることから始まったのです。
自動車の量産化の歴史です。パナール(Panhard)と言う人の名前は、今でも車の部品の名前に残っています。
コーナリングするときに、車軸が左右にぶれるのを防止するためのロッドで、パナールロッドと言うロッドを作った人です。(ラテラルロッドと言う場合もあります。)
ドディオン(de Dion)という人の名前も、車のサスペンション形式に残っています。後輪駆動のアクスルの形式で、等速ジョイントを付けて車体側にデフを固定した形式のリジッド(独立懸架ではない)アクスルをドディオンと言います。トヨタのAE86(ハチロク)がこの形式で有名ですね。バネ下重量を軽減できる、と言うメリットがあります。
そして、1900年代に入ると、多くの自動車メーカーが参入し、今のような自動車社会の礎となったのです。
投稿者 suzuki : 2005年07月26日 09:22
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