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2005年07月27日

音を見る〜自動車工学(2)/カンタン音振講座(1)

さて、自動車工学の2回目。
自動車の振動、騒音について。(※注:音振=音振動の略)
今日は、自動車の音を見る方法について。

音を見るってどう言うこと?
そうです。音は見えません。だからやっかいなのです。
自動車は様々な音を出しています。また、外部の音(他の車の走行音や、風の音)が室内に侵入します。これらの騒音をいかに抑えるか、が静かで快適なドライブにはかかせません。

実際の音は見えませんが、測定して、グラフにすることで、見ることができます。
その方法は?

まずは、音を聞いてください。自動車の室内音です。エンジン回転速度、2000rpmです。

再生するにはプラグインが必要です。
Download file

では、グラフを見ていただきましょう。
これは、大学講義、自動車工学のためにつくったScilabのデモプログラムの画面です。

図-1のようなグラフを、音の波形、あるいは、時間波形、時間ドメイン(Time domain)の波形、などといいます。音の波の時間的な変化を示しています。
音が空気の振動だと言うことは知っていますね?このグラフは、空気の振動をそのままグラフにしたものです。

図-1:横軸は時間(秒)、縦軸は音の大きさを示します。(クリックで拡大します。)
このグラフは、ICレコーダーで録音した音をScilabでグラフにしたものですから、縦軸はええかげんな値になっています。(※注:かっこよく言うと、A.U.=Arbitrary Unit、任意単位です。)

さて、では、図-2を見てください。
これは、音響マップ、サウンドマップと呼ばれるもので、音の大きさ、高さ、時間的な変化を立体的に表現したものです。

図-2:横軸は時間(秒)、縦軸は音の高さ(Hz:ヘルツ)、色は音の大きさを示します。
さきほどと同じように、音の大きさはええかげんですが、音の高さはかなり正確です。Hzと言うのは、音の波が1秒間に何回あるか、と言う単位です。400Hz付近がずいぶん大きな音が出ていますね。これは先ほどの音の、カシャカシャと言うエンジンのメカノイズのような音です。70Hzくらいのところに、一本はっきりと線が出ていますね。これは、エンジンの排気音です。4気筒エンジンの2000rpmの時の回転1次成分(66Hz)です。(これについては、あとで説明します。)
また、3秒付近から、全周波数のノイズ(ホワイトノイズと言います)が出ていますね。これは、先ほどの音で、外を通過する車の走行音が聞こえたと思いますが、その音です。

もう少し、詳しく音を見るには、周波数軸のグラフを使います。周波数ドメイン(Frequency domain)とも言います。図-3を見てください。
このグラフは、音の高さと大きさの関係を表しています。自動車の音は様々な高さの音が混ざり合っているので、どの高さの音がどのくらいの大きさで出ているのか、を調べるのに使います。
先ほどの、66Hz付近で大きな音が出ていることがわかります。これがエンジンの爆発音の1次成分です。また、350Hz付近を中心に左右に分布する音があります。難しい言葉で言うと、周波数変調がかかった音です。このような音は、何かの打音(打ち付ける音、たとえば、ハンマーで金属をたたくときのような音)です。この場合は、エンジンのタペット音と思われます。
このような解析をして、騒音源を突き止めたり、対策を考えたりするのです。

図-3:横軸は周波数(Hz)、縦軸は音の大きさ(秒)

さて、自動車の音をまとめると、図-4のスライドになります。

図-4:先ほどの、エンジンの回転速度に同期した音は、このような数式で計算できます。M=2,N=1,n=2000で計算してみて下さい。次数と言うのは、いわゆる倍音です。自然界の音は単一の周波数であることはなく、必ずその整数倍の音を出しています。

では、今日はここまでにします。
今日使ったScilabのデモプログラム(.sci)と音の.wavファイルを置いておきます。Scilabをインストールした人は使ってみてください。

両方のファイルを同じディレクトリ(日本語のディレクトリではエラーが出ます。デスクトップもダメです。)に置いて、.sciファイルをダブルクリックすると、Scilabが開きますので、File->execからもう一度.sciファイルを選んで、あとはコンソールの指示に従ってenterを押してください。(※注:音が出ますので注意してください)

2000rpm_room.sci
2000rpm_room.wav

"Can't open input file '.\2000rpm_room.wav': No such file or directory" と言うエラーが出て動かない場合、実行ディレクトリを変更してください。
たとえば、ファイルをダウンロードしたフォルダがC:\sci_tempと言う名前だとすると、Scilabのコンソールから次のように入力します。

-->cd c:\sci_temp
(※注:"-->"はScilabのプロンプトです。)

投稿者 suzuki : 2005年07月27日 10:37

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