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2006年05月01日

長年の悩みが解消

いや、困っていたのです。
ようやく解決しました。
終わってみれば、ほんの些細なことでした。
「幽霊の正体見たり枯れ尾花」と言うか。
餡汁より芋が、、、じゃない、案じるより生むが安し、と言うか。
知識は後からついてくるものですね。

0501.jpg
困っていたのは、これです。(丸印の部分)

これは、ラリーで使うヘルメットなので、インカムがついています。インカムと言うのは、通話装置で、ラリー車は音がうるさいので、ドライバーとナビゲーターが会話するためのマイクとスピーカーが入っています。
問題なのは、この丸印の部分
ぶらぶらして邪魔なので、両面テープでヘルメットに貼り付けていますが、これがうまくつかないのです。
どんな両面テープでもすぐにはがれてしまいます。

きっかけは、実に些細なことでした。
ホームセンターに全然違うモノを探しに行った時、ふと目に留まったものがあったのです。

「ポリエチレン ポリプロピレン用」
と書かれた接着剤です。

それまで知らなかったのですが、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)は、難接着材料と呼ばれ、普通の接着剤や粘着テープではくっつかない材料だったのです。
(なーんだ、技術士でもそんなことも知らないのか・笑)
そうなんです。技術士と言ってもいろいろ専門がありますから、知らないことは知りません。

閑話休題。
何故、PEやPP(ポリオレフィン系のプラスチックと言います)はくっつかないか、と言うと、固体の表面エネルギーと言うやつが影響しています。

固体は、なぜ固体なのか、と言うと、分子間力で引っ張り合って結合しているからなんですね。
ところが、固体の表面では、引っ張り合う相手がいませんから、エネルギーが余っているんです。
これを表面エネルギーと言います。
PEやPPでは、この表面エネルギーが低いんですね。
エネルギーが高ければ、別な物質と結合しようとしますが、エネルギーが低いので、他の物質をはじいてしまうわけです。

簡単に言うと、「水をはじくように接着剤をはじく」わけです。
だから、PEやPPを真面目に接着しようとすると、表面の性質を変えてやる(改質)必要があるわけです。
接着剤をはじきにくくするわけですね。
バーナーであぶったり、薬品で溶かしたり、削ってやったりするわけですが、最近は、家庭用のいい製品が出ています。

瞬間接着剤(シアノアクリレート系接着剤)で、ポリエチレン、ポリプロピレン用とかかれたものには、プライマーと言う薬剤がついています。
これが、表面を改質するわけですね。
使い方は、接合面をきれいにしたら、プライマーを塗って、乾くまで放置、その後、瞬間接着剤で接合。

しかし、今回は、これは使いませんでした。
接着剤でとめてしまうと、はがせなくなってしまうので。
使ったのは、「超強力両面テープ ポリエチレン・ポリプロピレン用」
探せば、何社かから発売されています。
アクリル系ですが、ちゃんとくっつきました。
(他の両面テープもだいたいアクリル系ですが、くっつかないものはつきません。)

何が違うか、と言うと、単に粘着力が違うだけのようです。
つまり、粘着は接着とは全くメカニズムが違うのです。
接着は、固化して材料と一体化するのに対し、粘着は、高粘度の液体のままです。(だから後ではがしたりできるわけですね。)

こういうことを最初に見つけた人は偉いですね。
いずれにせよ、目的を持ってやってみないと、こういう知識は身につかないもののようです。

投稿者 suzuki : 2006年05月01日 08:35

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