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2006年10月15日

クローンペットはどうして売れなかったのか?

ハイテクの果て
http://blog.suzukiyutaka.com/archives/2006/10/post_169.html
の続き


 中止の理由、「クローンペットを商業化できる技術を開発するまでに至らなかった」と本気で思っているのなら、少し違うと思います。

 技術屋にありがちなのは、「技術が優れていれば売れる」と言う考え方。
 これが間違っていることは、例えばWindowsがMacを駆逐したことでも明らかだし、ビデオのベータマックスとVHSの一件でもそう。

 売れるのは、商品であって技術ではないのです。

 いかに実のない技術でも(WindowsやVHSが実がないと言っているのではないので、念のため)、売り方さえ間違えなければ売れる。

 では、売り方とは?
 顧客、宣伝、価格
 この3つが主な要素だと思います。

 クローンペットは、まず、顧客を間違っている。
 考えてみて欲しいのですが。
 あなたのペットがまだ元気で生きているとして、

 「あなたのペットが死んでから、生き返らせることができます。クローン技術で複製をつくるのです。費用5百万円をお支払いいただければ、DNAを採取します。」

 なんて売り込みに来て、誰が買いますか?
 そんなものよりも、今、現実に生きているペットと自分たちのために5百万円を使った方がよほどいいでしょう。

 ウソだと思ったら、ペットを飼っている人に聞いてみるといいです。
 ほぼ100%、いらない、と言うはずです。
 普通の飼い主は、ペットが死ぬことは考えたくないのですから。 

 これは、保険と同じ。
 よほど安い費用でなければ人は購入しない商品です。
 ※よほど金に困っていなくて、新しいもの好きの人たちは別。

 このビジネスの顧客は、すでにペットを亡くした人。
 悲しみに打ちひしがれている飼い主のところに行って、

 「クローン技術でよみがえらせることができますよ。費用は5百万円。今すぐDNAを採取しないと手遅れになりますよ。」

 と、悪魔がささやくがごとく告げるのです。

 そのための宣伝をすべきだったのです。

 つまり、5百万円をキャッシュで払える財力があり、ペットを飼っている見込み客に、ペットが死んだらわかるようなしかけをしておく。
 例えば、ペット専門の葬儀屋とジョイントするとか。

 それができない人は、このビジネスをすべきではなかったのです。
 それが、このビジネスの本質です。
 命をビジネスにする、と言うのはそう言うことです。

 否定的なつもりはないので、あしからず。
 それで、ペットを亡くした人の悲しみを少しでも和らげてあげられるなら、すばらしいビジネスだと思います。

 ※私は、クローン技術には全く詳しくないので、果たして、死後に採取した細胞からクローンが作れるのかどうかはよく知らない。
 もし、今の技術でできないなら、このビジネスはそもそも成り立っていない。

投稿者 suzuki : 2006年10月15日 08:52

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