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2006年07月12日

株価、下落?

前日終値の \70 安 (-1.16%) で始まりましたね。

今朝から大々的に報道されているので、ご存知の人も多いでしょう。
熊本県警は、車の操舵系の欠陥を8年にわたって放置し、重大事故を発生させたとして、トヨタ自動車の社員を書類送検しました。

詳しい情報がないので、この件に関するコメントは差し控えますが、一般論として、設計とは、品質とはどういうものか、について書いてみようと思います。

確かに、操舵系に不具合のある車は、ハンドルが効かなくなることがあり、危険です。
しかし、「どんな条件下でも絶対に壊れない」ものはつくれない のです。
「市場で折れた。すぐに強化しよう、と言うわけにはいかないのです。」
リレーロッドと言う部品、実は、悪い道を走る車ではよく折れます。

設計とは品質とコストのバランスをとることです

では、品質とは?
http://blog.suzukiyutaka.com/archives/2005/04/4.html
で紹介した、田口玄一博士が、タグチメソッドわが発想法―なぜ私がアメリカを蘇らせた男なのかで書かれている言葉を借りれば、

「品質」とは「品物が出荷後、社会に対して与える損失である」

つまり、品質が高すぎることも低すぎることも損失であり、設計者はそのどちらも避けなければなりません。
最適な点を見つけるのが設計の仕事であり、ただやみくもに強度をあげればいい、と言うものではないのです。

品質が低すぎることによる損失はわかると思います。事故によって消費者の生命財産が毀損されることによって生じる損失です。
では、品質が高すぎることによる損失とは何でしょうか?
(一般論として)大事故につながる可能性が低く、対策に費用がかかるものまで逐一対策すれば、そのような危険のない大多数の消費者が、無駄な費用を支払うことになる、と言うことです。

技術者の責任、と言うことについては、http://blog.suzukiyutaka.com/archives/2006/06/post_125.htmlでも書いたとおり、未来に対する責任です。

未来に発生するであろう損失を最小にする、と言うことが設計者の責任なのです。
品質が不足して、重大事故が発生することも、過剰品質にして消費者に無駄な出費を強いることも、どちらも避けなければならないのです。

投稿者 suzuki : 2006年07月12日 08:28

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